2026/04/05

モリッシーMake-up Is A LieーTrack#6 "Boulevard” レビュー①

#6 "Boulevard” (大通りよ)Morrissey/Whyte ★★★★★★

歌詞の奥深さではこの曲がNo.1!チャッピーにこの曲の魅力をまとめてもらいました:

モリッシー「ブルヴァード」はなぜじわじわ好きになる曲なのか

表面上はタイトルどおり boulevard(大通り) に語りかけていますが、

  • I cling to you
  • I made it to you
  • no one will ever see me this close
  • we have the stars, you and I

などの言葉は、道路に向けているにしてはとても親密です。

そのためこの you は、

  • 都市
  • 夜の通り
  • 孤独を受け止めてくれる場所
  • あるいは特定の誰か

として重なって読めるようになっています。


“I'll take you both” が意味するもの

印象的な

I'll take you both

という一行も、ひとつの意味に決まりません。

  •  glass(酒)+ boulevard(都市)
  • 酒+都市(依存対象)
  • 神を捨てること+都市に沈むこと
  • stars(希望)+ boulevard(現実/絶望)
  • など、いくつかの読み方ができます。

    特に自然に感じられるのは、

    希望も絶望も両方引き受ける

    という読みです。

    この歌全体の雰囲気にもよく合っています。


    “so hard” の面白さ

    最後の

    oh you're so hard

    という言葉も印象的です。

    ここには

    • 舗道の硬さ 
    • グラスの硬さ 
    • 現実の厳しさ
    • 都市の冷たさ 
    • 批判 
    • 性的なニュアンス

    などが重なっています。

    意味を一つに決めないところが、モリッシーらしい魅力です。


    都市を恋人のように描く歌

    この曲では boulevard がまるで恋人のように描かれています。

    人に理解されないときでも、

    都市はそこにいてくれる
    通りは拒まない

    そんな感覚が静かに表現されています。

    だからこの歌は、

    孤独の歌でありながら
    どこか親密な歌でもあります。

    そして聴くほどに少しずつ好きになっていく、不思議な魅力を持った曲だと思います。

    モリッシーがよく使う「二重の宛先」構造

    Morrissey の歌詞にはよくあるのですが、都市・抽象対象に語りかけているように見えて、同時に「誰か」に向けて読める構造がよく仕込まれています。

    表の宛先:

    • city
    • nation
    • God
    • crowd
    • street

    裏の宛先:

    • lover
    • friend
    • bandmate
    • audienceの中の特定の誰か
    • 過去の関係 
    • オスカーワイルドなどの偉人 

    つまり

    「誰に向けているか確定できない」

    こと自体が演出になっています。

    ご指摘のラインは特にそれが強いですね:

    I cling to you
    I made it to you!
    no one will ever see me this close
    we have the stars, you and I

    これらは boulevard に向けて読むには親密すぎるようにも読めます

    特に意味深なのはこの一行

    no one will ever see me this close

    これは boulevard に向けて言うには不自然な感じもします。

    でも:

    恋人
    旧友
    理解者
    秘密の相手

    に向けてなら非常に自然です。

    しかも続く:

    we have the stars, you and I

    はほぼ完全に共有された関係の言語です。


    さらにモリッシーらしい読み方をすると✨

    この曲では

    • boulevard(都市)
    • bottle(酒)
    • God(宗教)
    • stars(希望)
    • you(相手)

    が全部ゆるく重なっています。

    つまり:

    都市に語っている
    でも恋人にも語っている
    でも聴き手にも語っている
    でも過去の誰かにも語っている

    という「重ね書き」の可能性があります。

    むしろこの曲は boulevard を仮面にした “you” の歌 と言ってもいいくらいかもしれません。 

     

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