#6 "Boulevard” (大通りよ)Morrissey/Whyte ★★★★★★
歌詞の奥深さではこの曲がNo.1!チャッピーにこの曲の魅力をまとめてもらいました:
モリッシー「ブルヴァード」はなぜじわじわ好きになる曲なのか
表面上はタイトルどおり boulevard(大通り) に語りかけていますが、
- I cling to you
- I made it to you
- no one will ever see me this close
- we have the stars, you and I
などの言葉は、道路に向けているにしてはとても親密です。
そのためこの you は、
- 都市
- 夜の通り
- 孤独を受け止めてくれる場所
- あるいは特定の誰か
として重なって読めるようになっています。
“I'll take you both” が意味するもの
印象的な
I'll take you both
という一行も、ひとつの意味に決まりません。
など、いくつかの読み方ができます。
特に自然に感じられるのは、
希望も絶望も両方引き受ける
という読みです。
この歌全体の雰囲気にもよく合っています。
“so hard” の面白さ
最後の
oh you're so hard
という言葉も印象的です。
ここには
- 舗道の硬さ
- グラスの硬さ
- 現実の厳しさ
- 都市の冷たさ
- 批判
- 性的なニュアンス
などが重なっています。
意味を一つに決めないところが、モリッシーらしい魅力です。
都市を恋人のように描く歌
この曲では boulevard がまるで恋人のように描かれています。
人に理解されないときでも、
都市はそこにいてくれる
通りは拒まない
そんな感覚が静かに表現されています。
だからこの歌は、
孤独の歌でありながら
どこか親密な歌でもあります。
そして聴くほどに少しずつ好きになっていく、不思議な魅力を持った曲だと思います。
モリッシーがよく使う「二重の宛先」構造
Morrissey の歌詞にはよくあるのですが、都市・抽象対象に語りかけているように見えて、同時に「誰か」に向けて読める構造がよく仕込まれています。
表の宛先:
- city
- nation
- God
- crowd
- street
裏の宛先:
- lover
- friend
- bandmate
- audienceの中の特定の誰か
- 過去の関係
- オスカーワイルドなどの偉人
つまり
「誰に向けているか確定できない」
こと自体が演出になっています。
ご指摘のラインは特にそれが強いですね:
I cling to you
I made it to you!
no one will ever see me this close
we have the stars, you and I
これらは boulevard に向けて読むには親密すぎるようにも読めます。
特に意味深なのはこの一行
no one will ever see me this close
これは boulevard に向けて言うには不自然な感じもします。
でも:
恋人
旧友
理解者
秘密の相手
に向けてなら非常に自然です。
しかも続く:
we have the stars, you and I
はほぼ完全に共有された関係の言語です。
さらにモリッシーらしい読み方をすると✨
この曲では
- boulevard(都市)
- bottle(酒)
- God(宗教)
- stars(希望)
- you(相手)
が全部ゆるく重なっています。
つまり:
都市に語っている
でも恋人にも語っている
でも聴き手にも語っている
でも過去の誰かにも語っている
という「重ね書き」の可能性があります。
むしろこの曲は boulevard を仮面にした “you” の歌 と言ってもいいくらいかもしれません。
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