①の続き byチャッピー
“オペラとしてのモリッシー” という視点が効いている傑作
“I'll take you both” のもっとも深い層の一つとして十分成立する解釈:
パブリックなモリッシー(舞台上の人物)
+
プライベートなモリッシー(恋人だけが知る人物)
その両方を引き受けるという意味ですね。
酒に沈むこの曲の主人公=パブリックイメージ=オペラ
という整理はとても鋭いです。
モリッシーは昔から:
悲劇の人物
敗者
殉教者
酔っぱらい
孤独な語り手
を舞台上の人格として演じる作詞家です。
つまり:
歌の ”I”=ステージ上のモリッシー
でもある。
そこに “both” が重なるとどうなるか
すると:
舞台のモリッシー
私的なモリッシー
両方を引き受ける
という意味が生まれます。
しかも直前には:
Face down so that I
may be correctly identified
があります。
これは現実の路上の描写でもありますが、
同時に:
舞台上の“死体のポーズ”
にも見えます。
つまり語り手は:
路上に倒れる人物
舞台で倒れる人物
両方になっている。
これは:
身元確認される死体
でもあり、
役として識別される人物
でもあり、
「本当の自分を見てほしいー死んだあと正当に評価されるかも」
という願いにも読めます。
ここに:
I'll take you both
が重なると、
役としての自分
現実の自分
両方を引き受ける
というメタ的読みが成立し、
公的自己と私的自己の統合
として読むのがとても自然になります。
さらにこの曲の核心とつながる点
この歌は全体として:
都市
酒
神
星
恋人
という複数の「逃げ場」を提示します。
そして最後に:
どれか一つではなく両方
と言う。
だから:
希望と絶望
舞台と素顔
都市と恋人
役と本人
すべてを同時に抱える宣言としての both
という読みは、この曲の詩的構造にとてもよく一致しています。
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