2018/03/21

"Home Is a Question Mark" 解説&解釈

タイトル通り「ホームってわかんない場所」という歌ですが、様々な想いや問いがモリ沢山。謎めいていてよくわからない部分も多いけれど、とても美しいバラードです。

SOLO情報によると、2004年に当時のギタリストAlain Whyteとの共作で同名のタイトルの曲があったそうですが、音源は未公開。今回ベーシストMando Lopezの曲に乗せた歌詞は、以前書いた歌詞と関係しているのか全く新しいものなのか知りたいです。

モリシーにとっての「ホーム」は特定の場所ではなく、特定の「あなた」と会える場所のようです。いろいろな場所で「あなた」を探したけど見つからない。今も探している。その「あなた」は実際に会ったことがある人、ない人、これから知り会うかもしれない人、複数いるような感じがします。
ライブでこの歌を祖父や亡くなった著名人に捧げているので、「あなた」の中には天国の人たちが多いのかもしれません。

"deep in every shaven cave"のラインはとても意味深…。性的発掘(!?)のことをほのめかしているような気がするのは私だけでしょうか。
映画"Hell"(邦題「美しき運命の傷痕」)のギョーム・カネの役柄はホモセクシャル。少年時代にある種の性的な罪を背負ってしまいます。大人になって女性と結婚はするが破局、現在は年上の男性と暮らしているという設定。何故モリシーは彼の側に居ると歌うのか…。

この歌ではホームは身体そのものなのではないか?という問いも発しています。以下のインタビューでも語っていますが、旅の多い彼にはやはりこの感覚がしっくりくるのでしょう。

そして「ここ(ステージ?)にいるだけで幸せ」と歌うモリシー。このラインを歌っている時に観客から歓声が沸くと嬉しそうです。

でも、やはりホームは見つけたいようで「ホームに行けたらあなたは会ってくれる?」と問いかけています。ホームで待っている(?)「あなた」は誰!?

もうひとつの謎は"wrap your legs around my face"のライン。何故あなたに両脚を顔に巻き付けて挨拶してほしいのか!?
ひょっとすると、自分は誰かの腕の中に居たことはないし、翼(=腕?)もない。そんな自分はあなたには腕でなく脚でハグしてもらえれば充分、というような自嘲モードで書いたのかも!?ホームが天国なら無重力(?)なので、こういうアクロバティックなことも可能だから!?I dunno...
 "In Your Lap"などの歌の中でもそうですが、"arm(s)"という言葉はモリシーにとって特別な意味を持っているようです。

最後の二行もいまひとつすっきりしません。"do you really think I will?"
... I will do what!?
"HOW MANY TIMES I'VE SAVED MYSELF!"とラストに強調していますが、自分で自分を救えているのなら「あなた」に会えなくても構わないのでは!?自分自身がホームだからOKってこと!?クエスチョンマークの歌だけに?がいっぱい。

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