2019/06/06

EIM マーク・ギル監督 ロングインタビュー

聖人伝ではない、真実のロック伝記映画『イングランド・イズ・マイン - モリッシー、はじまりの物語』- FUZE

興味深かった箇所を以下に抜粋させていただだきハイライトを引きました。
オレンジのテキストは私の感想です。

ギル監督:もちろん、スティーヴンは苦悩していたし、決して楽な道のりではなかっただろうけど、恐らく母親のおかげであのような人になったのだと思う。デヴィッド・ボウイを観たことやパンクブームなども多少は人生に影響しているだろうけど、エリザベス(母親)が常に彼を信じていたことが大きいと思うよ。彼女は今もご健在だけど、彼女もお姉さんも、本作はお気に召さなかったようだ。でも、彼らにとっては(自分たちの物語が映画化されることは)すごく奇妙なことだろうから、よくわかるよ。逆に僕はモリッシーの家族には関与してほしくなくて、自分が思い描くまま、好きに作りたかった。みんなそれぞれ異なるヴィジョンがあるだろうしね。

モリシーのお母さんもこの映画が気に入らなかったというのは初耳。監督は何でそのことを知ったのかな?インタビュアーに聞き返してほしかったw お姉さんとジェームズ・メイカーが家族とお母さんについて言及しているのでそう言っただけかもしれない。
 

――監督自身はモリッシーやジョニー・マーの自伝を読んだのですか?

ギル監督:読まなかった。自伝が出版された段階で、すでに脚本を書き始めていたしね。理由のひとつは、法的に事前に読むことは不可能だったから。もうひとつは、自伝を読むことで自分の考え方が変わるのを恐れていたんだ。

「法的に不可能」とはどういう意味なのかな。英語で何と言ったのかも知りたいところ。


――細かいところまで再現されていて驚きましたが、かなりリサーチをしたのですか?

ギル監督:リサーチもしたし、自分も同じエリアで育ったから再現しやすかった。あとは初期のインタビューも読んだし、リリックに人生や親やうつ病について書かれていたことも役立った。(スティーヴンと最初のバンドを組む)カルトのビリー・ダフィーや友人のアンジーの遺族が協力してくれたこともあり、情報はたくさんあったよ。

初期のインタビュー映像などから遡って想像する若き日のモリシー像と、スミスのリリックから想像される典型的なモリシー像にはギャップがありますが(私にとっては)、監督が演出したスティーヴンの性格はかなりリリック寄りに感じました。


――劇中に登場する友人のアンジーは、モリッシーにとって大切な存在だったのですか?

ギル監督:そのようだよ。アンジーは率直な物言いでスティーヴンを応援していた。リンダーほどスティーヴンをインスパイアすることはできなかったかもしれないけどね。映画を制作するにあたって、ご遺族は非常に協力的で、アンジーの日記まで見せてくれた。スティーヴンのことをスティーヴォと呼んでいて、日記にも書かれていたよ。でも彼女は自分の死が近づいてくることに気づいていたから、日記を読むのはとても辛かった。しかも、彼女が亡くなる6週間前に、父親が亡くなっていたんだ。そして読んでいるうちに、急に日記が終わるんだ。最後は「今日は気分が悪い」と書いてあって、それで終わり。読んでいて本当に辛かった。ご遺族の寛大な対応には恐縮したよ。だから映画に出てもらったんだ。アンジーがビリーと電話で話しているシーンで、スティーヴンの後ろに座っている3人の女性たちは、実はアンジーの本当の姉妹なんだ。彼女たちはアンジー役を演じたキャサリン・ピアースに会って、涙を流していたよ。言葉も出なかった。特にアンジーと一番仲の良かったサンドラは、「アンジーが生き返ったみたい」と言っていた。この映画の撮影中には、そのような特別な瞬間がたくさんあった。

アンジーの日記を参考にしていたとはびっくり。ちなみにモリシーの自伝によるとアンジーは面白い子でよくモリシーを笑わせていたそう。毎晩長電話したり。でも当時彼女には彼氏が居たんですよね。彼女が17か18歳で白血病で亡くなった時、モリシーは15か16歳。大ショックですよね・・・。彼女が天国で映画化を喜んでいるといいけれど。この映画では少なくとも彼女とビリー・ダフィーの人物像はリアルに描かれているのではないでしょうか。

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