映画『イングランド・イズ・マイン』が5/31から日本でも公開されます。
この映画の英米での公開は2017年で、年内にDVD発売とネット配信もされています。プレスレビューやファンの感想を当時ひと通り読みましたが、評価は中の上といった感じだったでしょうか。コアなファンの間でもいまひとつ盛り上がりに欠ける印象でした。
日本では盛り上がりをみせているのでしょうか。
ご存知かもしれませんが、この映画は本人の了解なく作られています。打診しても返答がなかったようです。モリシー自身はコメントを出していませんが、モリシーの姉Jacqueline Morrisseyが、"It is an OFFENSIVE misrepresentation."と強い口調のコメントを発表しています。このコメント、限りなくモリシー本人が書いたような文体(笑)。間違いなくモリシーも同じ意見でしょう。
Linder Sterling (アーティストでモリシーの長年の友人。映画の中でも主要登場人物)は映画を見るつもりはないようですが、このインタビューで”identity theft”と言っています。James Makerも完全否定したステートメントを出しています。
本人と近しい人たちに完全否定された登場人物が、実際とかけ離れている可能性は大いにあるでしょうね。
私はこの映画を自分がモリシーや彼の家族だったらという視点で観てしまったのですが、これは自分ではない!こんなこと言ったことはない!と言いたくなるようなシーンが結構ありました。関係者がどこまでモリシーの自伝本を参考にしたのかも疑問に思いました。でも私がLinderだったら、このキャラで結構満足しちゃったかも(笑)
生きている人の伝記を撮ったり書いたりするのに、本人の許可を絶対に得なければいけないということはないと思いますが、最大限の敬意を払うことは必要でしょう。この監督とプロデューサーはモリシーのファンを公言しているのですからなおさらです。
モリシーたちに完全否定されたのに、あたかもこの映画が”biopic”(伝記映画)のように宣伝してよいものか単純に疑問です。「この映画は実在の人物と史実をベースに創作したフィクションです」とはっきり宣言した方が潔かったし、本人たちからのクレームもなかったかもしれません。
ただ、スティーブン(ヤングモリシー)役のジャック・ローデンはとってもキュート。私には声以外は本人に似ていると思えませんでしたが、演技自体は良かった。当時のマンチェスターの雰囲気や若者の様子、クラブシーンにもリアリティがありました。この映画が完全なフィクションだと思えば出来は悪くないと思います。ネタばれになるので詳しい感想は公開後に。日本人の感想を読むのが楽しみです。
ところで、東京で「マーク・ギル監督来日記念 <トーク&ティーチイン付>
モリッシー 60thバースデイ・プレミア先行上映会」があるのですね。日本人はモリシーが嫌ってる映画を監督と一緒に観てお誕生日祝いしちゃうんだ・・・。その光景、ちょっとシュールじゃない!?モリシーにこのことが知れたら激おこでもう来日してくれなくなっちゃうかもよ(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿